不倫相手の女性が会社で行ったクラブのホステスのようです。
ホステス女性は恋愛感情はないと言っていて、単なる枕営業のようですが慰謝料の請求はできますか?
性的関係があったのであれば慰謝料請求できる可能性が高いです。
以前、水商売の女性が既婚者の顧客と性行為を繰り返していたとしても、それが単なる「枕営業」であると認められる場合には、不法行為は成立しない、とした判決がありました。
(平成26年4月14日東京地裁判決)
「枕営業」とは、業務上の便宜や優遇を得るために性的関係を持つこと、もしくは性的関係を条件に業務上の便宜や優遇を約束する事を言います。
売春婦の場合と同様に、顧客の性的処理に商売として応じたにすぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないから、妻がこれを知って精神的苦痛を受けても、その水商売の女性が妻に不法行為をしたという事にはならない、といった趣旨の判決でした。
性風俗女性に対しては慰謝料の請求が出来ないとされているため、ホステスが枕営業で性交渉に至る事はそれと同じことだろう、という趣旨のようです。
この判決は「枕営業判決」などと呼ばれていました。
この判決が出たことで、水商売女性に対しては慰謝料請求は難しいのでは、という事になりましたが
その後、不倫相手が水商売の女性であっても慰謝料の請求が出来るという判決がいくつか出ました。
東京地裁平成28年10月17日判決
ホステスが営業努力として常連客と同伴出勤をしたり、食事や外出をする事は一般的に見られることである。しかしながら、相手が常連客であったとしても、性交渉を迫られた時に断る事が難しいホテルにあえて二人で宿泊することは、ホステスの営業努力として一般的とはいえない。
ホステスであっても、性交渉を目的とする、もしくはこれを容認した上でのものと考えるのが自然かつ合理的
東京地裁平成30年1月31日判決
妻から慰謝料請求をされたホステスは、男性に来店してもらって指名してもらうために好意があるふりをしていただけで肉体関係はない、と主張。
しかし、好意があるふりをするためだけに客の前で上半身裸のまま歯を磨いたり、ベッドに仰向けに横たわったり、胸をあらわにした状態でソファに座ってカメラ目線で写真を撮影されることを許容したりする行動は、通常の羞恥心や貞操観念をもつ女性の行動としては理解しがたいものといわざるを得ない
「枕営業」と称されるものであったとしても、不貞行為に及んだことを否定する事が出来るものではなく、仮にそのような動機から出た行為であったとしても当該不貞行為が男性の妻に対する婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益に対する侵害行為に該当する以上、不法行為が成立するというべきである
こういった判例がいくつも出てきた事で、
水商売女性が不倫相手であっても、恋愛感情を伴わない枕営業であったとしても、性的関係があればそれは妻との間で不法行為になる、すなわち慰謝料の請求が出来る可能性が高くなったといえます。
慰謝料請求はしたいけど、書面はどう書いて良いか分からない、一人で不安という方はいつでもご相談下さい。


ご相談
お問い合わせは
こちらから